The United States of Leland
少年はなぜ恋人の弟を殺したのか? "哀しみ”の叫びが突き刺さる-衝撃の感動作。
世の中にあふれる哀しみを敏感に感じ取ってしまいながらも、何も感じないふりをしてすべてに目を閉ざしてしまう16歳の少年と、苦しみ、悩み、自分でも気付かないうちにちょっとずつ罪を犯しながら生きていく人々。28歳のマシュー・ライアン・ホーグ監督は、絶望の中にもかすかな希望を見出そうとする主人公リーランドの姿を、自らの体験をもとにこれまでにない独特の視点で描いています。
この刹那的な16歳の心の揺れに激しく賛同したケヴィン・スペイシーが今回は出演だけでなくプロデューサーとして参加。主演は本作でサンダンス映画祭スタンディング・オベーションを受けた若手演技派俳優ライアン・ゴズリング。さらにドン・チードル、クリス・クライン、ジェナ・マローン、レナ・オリン、ミシェル・ウィリアムズ、マーティン・ドノヴァン等の豪華キャストが結集。
スタッフ
| 監督 | マシュー・ライアン・ホーグ |
|---|---|
| エグゼクティブプロデューサー | マーク・デーモン サミー・リー スチュワート・ホール |
| 製作 | ケヴィン・スペイシー バーニー・モリス パルマ・ウェスト Jonah Smith |
| 脚本 | マシュー・ライアン・ホーグ |
| 撮影 | ジェームズ・グレノン |
| 美術 | エドワード・ティー・マカヴォイ |
| 音楽 | ジェレミー・エニック |
| 挿入曲 | ピクシーズ |
| 音楽監修 | トレイシー・マックナイト |
| 編集 | ジェフ・ベタンコート |
| 衣装(デザイン) | ジュヌビエーヴ・ティレル |
キャスト
| 俳優 | 役名 |
|---|---|
| ライアン・ゴズリング | Leland P. Fitzgerald |
| ドン・チードル | Pearl Madison |
| クリス・クライン | Allen Harris |
| ジェナ・マローン | Becky Pollard |
| レナ・オリン | Marybeth Fitzgerald |
| ケヴィン・スペイシー | Albert T. Fitzgerald |
| ミシェル・ウィリアムズ | Julie Pollard |
| マーティン・ドノヴァン | Harry Pollard |
| アン・マグナスン | Karen Pollard |
| ケリー・ワシントン | Ayesha |
| シェリリン・フェン | Mrs. Calderon |
| マット・マロイ | Charlie |
| ウェスリー・ジョナサン | Bengel |
| マイケル・ペーニャ | Guillermo |
| マイケル・ウェルチ | Ryan Pollard |
| ロン・カナダ | Elden |
ストーリー
「その日の事は憶えていない。嘘じゃなく、本当に憶えていないんだ・・・・・・」
平凡な16歳の少年リーランド(ライアン・ゴズリング)はある日突然、障害者のライアンを刺し殺してしまう。ライアンはリーランドの恋人、ベッキー(ジェナ・マローン)の弟だった。
「ぼくは罪を犯したかもしれない」
逮捕されたリーランドは、矯正施設に入れられる。事件を起こした理由について何も語ろうとしないリーランド。「みんなが何を求めているかわかってる。彼らが求めているのは"理由だ"。でも物事に明確な理由なんてない。ただ"事"が起きただけ」と。
しかし、教官パール(ドン・チードル)と出会い、少しづつ心のうちを語り始める。パールは、この繊細で賢い少年が理由もなく殺人を犯したとはとても思えなかった。売れない作家でもあるパールは複雑かつ不可解な少年の心を解き明かすことが本の題材になるのではないかと考え、リーランドに近付く。
なぜ、リーランドは、仲の良かった恋人の弟を殺したのか?
施設の規則を破って、パールはリーランドと教室外でのカウンセリングを始める。しかし、話を聞けば聞くほど、そう簡単に説明できないことに気付く。その背景には様々な出来事が複雑に絡み合っていた。祖母の死、ベッキーとのすれ違い、そして別れ、長く会っていない父アルバート(ケヴィン・スペイシー)への憧れと憎しみ、ライアンの純粋さへの愛・・・・・・。世界を満たしている「哀しみ」にどう対処していいのかわからず、心を固く閉ざした少年の姿がそこにあった。
「父に毎年会いに行ってるというのは嘘なんだ。もう10年も会ってない」
有名作家であるアルバートは、知らせを聞き、街に戻ってくる。父親に話を聞けば何か分かるかもしれないと考えたパールは、憧れの存在でもある彼に会いに行く。しかしリーランドと長く疎遠にしていたアルバートはまったく息子を理解していなかった。そして、リーランドを本の題材にしようとしてることを勘付かれ、パールは冷たくあしらわれる。
「彼女のことは恨んでない。本当だ。今でも彼女のことを愛してる」
哀しみに明け暮れるベッキーの家族は、それぞれが心のバランスを崩しつつあった。怒りに震える父、ショックから立ち直れない母、そして妹への憎しみを隠しきれない姉。一度は麻薬を断ち切ったはずのベッキーも、リーランドと別れる原因になったドラッグディーラーの元彼の家を訪ね、再びドラッグに溺れてゆく。家族を失った自分を救ってくれたポラード一家が崩壊していくのを目の当たりにした姉の婚約者アレン(クリス・クライン)は、この理不尽な事件を消化出来ず、リーランドに激しい憎悪を燃やす。
徐々に本心を語り始めるリーランド。同時に、リーランドが逆にパールに質問しはじめる。なぜ自分でも悪いと分かっていることをするのか? 自分の罪を追求されることに初めは怒りを覚えるパールだったが、本当はそれらに対して正当な理由を見つけられず、焦っていた。恋人への裏切り、施設の規則破り、そしてリーランドを自分の作家生命のために利用しようとしていること。誰もが日々罪を犯しているのだ。それらはリーランドの罪とどう違うのか?
実は自分の息子を本の題材にしようと考えていたアルバートはパールに先を越されることを恐れ、彼が規則を破っていると施設にタレ込みをする。担当を外されたパールはその事実を知り、アルバートへの怒りと同時にリーランドへの愛情を感じる。そして、リーランドに語りかける。人生を諦めてはいけない。罪を犯したことは取り消せないが、大切なのは今後どう生きるかだ。そんなパールの愛情に触れ、リーランドは"The United States Of Leland(リーランドの合衆国)"と題された、自分の本心を綴ったノートを手渡す。
「きっとあなたなら、このノートを読めば真実がわかるはず」と。
ノートを受け取ったパールは誰も知ることがなかったリーランドの哀しみの深さを知る。そして誰にも予想ができない第二の悲劇の予感が、現実のものとなり始めていた―。